大嘗祭は天皇がその神格を獲得し維持することに直接関係する最も重要な儀式であり、循環の思想は大嘗祭の最も根本的な観念的特徴である。この研究は『貞観儀式』を基本的なテキストとして使い、儀式次第に国栖と隼人の役割を分析し、国栖と隼人はそれぞれ東と西の属性が持ち、大嘗祭にその登場順番が儀式の基本になる循環と関わり、そこから大嘗祭という祭祀の原理と構成および主な特質を提示し、大嘗祭に内在する構造的な特徴を追究する。